リシャール数

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リシャール数というものもある。

ある数があるとする。

この数には、さまざまな属性がある。例えば5という数をとろう。

5の属性とは、例えば、自然数であり、奇数であり、素数であることである。

話を一般化しよう。

ある数nがある。今この数の属性を全て数え上げたとしよう。

そうしたら、その数の属性がちょうどn個あったとする。

そのときに、この数nをリシャール数である、と定義する。

さてここにも同じ矛盾が生じることに、気づかれただろうか。

なぜなら、リシャール数を定義したとたんに、nという数の属性は、一つ増えるからである。

すなわち、「リシャール数である」という属性が増えてしまう。

ゆえに、定義した時点から、nはリシャール数ではなくなってしまうのである。

「脳が脳のことを考える」おかしさというのは、こうした論理的な問題としては、まだ提起されていないと思う。

しかし、こうした逆理が、脳が脳のことを考えるおかしさとどこかでもているということは、ありそうなことである。

しかしだからと言って、心つまり脳の機能が特別なものだということにはならないであろう。

それはそれとして、解決すれば良い問題である。

オシッコの生成だって、すべてがよくわかったわけではない。

心の問題が難しいというのは、

他の問題の難しさを知らないからだけのことかもしれないのである。

出典 『唯脳論』養老孟司 著 青土社より